美しい風景を思い続けた50年だった。
市民が寄付金で土地を買い取るなどして自然や景観を保全するナショナルトラスト運動の国内の先駆けとなった和歌山県田辺市の「天神崎の自然を大切にする会」の相談役、玉井済夫(すみお)さんが18日、市内の病院で亡くなった。85歳だった。
1974年の会の発足時からのメンバーで、会の創立50周年記念誌をほぼ完成させたところだった。
「子どもたちが天神崎に親しんでくれている。この運動が続く限り、身近な自然を大切にする思いは引き継がれていくと思う」
生前、玉井さんはこう振り返っていた。
南米ボリビアの「ウユニ塩湖」のようだと数年前から人気の天神崎で、別荘開発計画が持ち上がったのは1970年代だった。
新宮市で生まれた玉井さんは…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル